04.12(水)マイプロジェクトについて
本日は前回予告した通り、
マイプロジェクトの実例として
3月に全国マイプロジェクトアワードに参加した
遠藤結望(えんどうみゆ)さんの取り組んだマイプロをご紹介します。
マイプロジェクトとは?
マイプロジェクトとは、自分の興味関心や身の回りの課題をテーマにプロジェクトを立ち上げ、実行することを通して学ぶプロジェクト型学習プログラムのことで、本校では2年生の「総合的な探究の時間」の中で実施しています。この学習で大切にしているのは、活動を情報収集や整理・分析だけで終わらずに、実社会と関わりながらアクションを起こして学びにつなげていくこと。また、その結果起きた自分自身の変化についても内省し、次の探究や自身の生き方あり方につなげていくことです。
地域活性化のための土づくり~高校生コーディネーターとしての挑戦~
これは、今回ご紹介する遠藤望結さんが取り組んだプロジェクトのタイトルです。高校生自身が、地域の方と高校生とをつなぐコーディネーターとなり、年々薄れていっている地域のつながりを復活させるための土台づくりを行おうというプロジェクトです。
活動は主に
①地域と高校生それぞれのニーズ調査
②地域と高校生とをつなげるマッチング活動
③学びの言語化
という流れで進んでいきました。
①地域と高校生それぞれのニーズ調査
望結さんはまずはじめに、大槌町内でコミュニティづくりに携わっている方々へのヒアリング調査や、大槌高校に通う同級生へのアンケート調査を行いました。その結果、お互いが「もっとつながりたい」と思っていることが明らかになりました。高校生に至っては約7割の生徒が地域の方ともっとつながりたいと思っていました。地域の方は、震災やコロナの影響もあって、地域の(特に若い世代との)つながりが減ってしまっていることを危惧していること、高校生は、自分の探究活動を進めるうえで、同じテーマに興味のある方や、助言やサポートを行ってくださる方との出会いを求めていることが分かりました。
②地域と高校生とをつなげるマッチング活動
お互いのニーズが明らかになった後はいよいよマッチング活動のスタートです。まずはじめに、高校生の活動に協力してくれる地域の方を募集するために「求人票」を作成して大槌町文化交流センターおしゃっちにて展示を行いました。
求人票には、高校生が興味のあるテーマや、地域のどんな方とつながりたいか等の情報を載せました。1週間くらいの展示期間を経て、実際に5名の方から応募をいただきました。
次に、大槌町役場の協働地域づくり推進課や、町内でコミュニティづくりを行っている団体の方々に直接電話をかけて、高校生が参加できる地域の活動の情報を集めました。そして集まった情報に対して参加したい高校生を募集していきました。いくつかの活動に実際に高校生も参加してくれて、地域の方との交流が生まれました。
③学びの言語化
活動の最後のプロセスは「学びの言語化」です。望結さんはこれまでの活動を振り返る中で、ある壁にぶつかった経験に注目しました。
望結さんは、地域と高校生の間に入りマッチングを行う際に、「人に嫌われたくない」「人に迷惑をかけたくない」といった思いから、お互いをつなげるための行動を躊躇してしまう自分と出会い、「人とつながることの怖さや面倒くささ」を実感しました。同時にそれは、私だけでなないのではないか?という疑問を持ちました。
そのことを同級生や地域の方々に伝えてみると、予想以上に多くの方からの共感を得て、疑問が確信に変わりました。そして、この活動を通して得た1番の学びをこう言語化しました。
プロジェクトの序盤に地域の方にヒアリングをした際、地域のつながりが薄れていってしまっている要因は主に、東日本大震災の影響により地域コミュニティが喪失してしまったことと、コロナ禍の影響で地域活動が実施できなくなったしまったことであるという話を聞きました。望結さんはそれらに加え、自身の経験をもとに新たな仮説を見つけ、地域のつながりづくりの本質に迫ることができました。また同時に、「人とかかわることへの怖さや面倒くささを感じている私だからこそ、巻き込める人がいるかもしれない」という気づきも得て、自分がこのマイプロジェクトに取り組む意義を見出しました。
望結さんはこの活動の内容や得た学びについて、全国高校生
MY PROJECT AWARD 2022 岩手県summitに出場して発表し、岩手県内55プロジェクトの中から2プロジェクトだけが得られる全国summitへの出場権を見事獲得しました。
明日のnoteでは、全国summitに出場した感想を結望さんからお聞きしたいと思います。