復興研究会、アチェに行く。(第5巻)
12月22日(金) 本日も出前授業から一日が始まりました。行き先はSMP17(第17中学校)。この中学校も民族舞踊でお出迎えをしてくれました。SMP17は男子生徒のダンスを披露してくれました。アチェには、大槌で言うところの虎舞や神楽、鹿踊りなど様々な伝統舞踊があるとのこと。どの踊りも生徒の生き生きした表情と熱量に圧倒されました。
出前授業では、他の学校で行ったものと同じように、大槌高校生の紹介や日本の紹介、地震のメカニズムや生徒たちが受けた防災教育などを発表しました。その後の防災クイズも大盛り上がり。積極的に発言をしてくれる生徒がとても多い印象でした。ちなみに、どうやらインドネシアでは小学校のころから授業で「問いかけ」と「返答」を大事にしているとのことです。
その後、復興支援への感謝を込めて作った広場に案内されました。スマトラ島沖地震で支援をしてくれた国名と、その国ごとの「ありがとう」が刻まれた石碑を見ました。
そして、一行は「アチェ津波博物館」へ。陸前高田市の「東日本大震災津波伝承館」(いわてTSUNAMIメモリアル)と同じく、被災したヘリコプターやバイクなどが展示されてありました。一方で、津波の最高遡上高30mの高さのドームに津波で亡くなった方の名前が記されている、日本でいうところの「慰霊碑」のようなものや、津波の暗さと音をイメージした通路、子どもたちが学ぶためのスペースなどがありました。津波発生時の映像も見ました。地震発生当時から町が津波にのまれていく様子、そして家族を失った人のコメントなどがありました。津波が発生した後の映像では、毛布にくるまれた遺体などもあり、災害発生時の悲惨さがリアルに伝わりました。
ほとんどの人がイスラム教徒であるアチェ市では、金曜日の12時から14時まで、外資系の店以外はお祈りのために閉店しています。そのため、私たちはいったんホテルでお休み。14時に再集合し、今度はビーチに行きました。快晴の天気の中、インド洋を臨む砂浜でランチタイム。ピザとヤシの実ジュースで大満足です。
1週間のうちでも金曜日の午後だけ、私たちのような異教徒でもグランドモスクに入ることができるとのこと。ムスリムの人々は、「がんばってお金を出し合って自分の地域にモスクを建てる」ことを誇りにしているのだそうです。そのため、グランドモスクは住民の憧れと誇りがたくさんつまっているとのことでした。異教徒であっても女性はヒジャブ&ロングスカートがドレスコードです。
ということで、いざ、夕暮れのグランドモスクへ。靴を預け、階段を上ると、夕日に照らされたグランドモスクが目前にありました。想像以上のスケールの大きさと美しさに一同圧巻されました。まさに、地上の楽園。残念ながらモスクの建物内にはムスリム以外は入場不可とのこと。近くの塔からアチェの街を見下ろしたり、ゆっくり休んだりしながら最高のひと時を過ごしました。
あっという間に明日は移動日。日本に戻ります!